結論から言います。AI時代になってSEOが不要になったのではなく、AIの入口がSEOだった——というのが、Google自身の説明です。
この記事では、その根拠と、「AI検索対策」として売られているもののうち、どれに公式の裏付けがあり、どれに無いのかを、すべてリンク付きで並べます。当社がやらないと決めたことも、理由ごと書きます。
Googleは「はい、まだ重要です」と答えている
Googleは2026年5月に、生成AI向けの最適化について公式ガイドを公開し、2026年7月10日に更新しています。そこに、まさにその見出しがあります。
Is SEO still relevant for generative AI search?(生成AI検索において、SEOはまだ重要か?)
—— In short, yes!(端的に言えば、はい)— Google Search Central「Google 検索の生成 AI 機能向けにウェブサイトを最適化する」
理由も、同じページに書かれています。Google検索の生成AI機能は、従来の検索ランキングと品質のシステムを土台にしている(rooted in our core Search ranking and quality systems)から、というものです。
出典:Google Search Central 「Google 検索の生成 AI 機能向けにウェブサイトを最適化する」(日本語版)/2026年7月17日に原文確認。ページ下部に「最終更新日 2026-07-10 UTC」の表記
なぜかというと、AIはGoogleの索引をそのまま見ているから
ここが一番大事なところです。GoogleのAI(Gemini)が答えを作るとき、参照しているのはGoogle検索の索引そのものです。別のどこかに、AI専用の名簿があるわけではありません。
つまり、順番はこうなっています。
Google検索に出る状態にする → その索引をGoogleのAIが見る → AIの答えに紹介される可能性が生まれる
逆に言えば、Google検索に出ていないサイトが、GoogleのAIにだけ紹介されることはありません。入口が同じだからです。
だからGoogleは、こうも書いています。
From Google Search's perspective, optimizing for generative AI search is optimizing for the search experience, and thus still SEO.
(Google検索の観点では、生成AI検索への最適化とは検索体験への最適化であり、つまり依然としてSEOである)— 同上
これはSEOの価値を下げる話ではありません。逆です。「AI対策」という名前の別作業を買わなくても、SEOの基礎を固めればGoogleのAIには届く、という意味だからです。やることが1つで済む、というのは良い知らせです。
ただし、ここには重要な例外があります。この話が当てはまるのはGoogleだけです。ChatGPTとPerplexityは、Googleとは別の、自前のクローラーで直接サイトを見に来ています。そちらはGoogleの順位では代替できません。各社の公式ドキュメントで確認した内容を、別の記事にまとめました。
日本では、まだ4人に1人しかAIを使っていない
「もう全員がAIに聞いている」という前提も、日本ではまだ成り立ちません。総務省の白書の数字です。
- 日本で生成AIサービスを使ったことがある人 … 26.7%(2024年度調査)
- 同じ調査での米国 68.8%/ドイツ 59.2%/中国 81.2%
- 日本の20代に限れば … 44.7%
出典:総務省 令和7年版 情報通信白書 「人間に身近なAI利用の現況」(図表Ⅰ-1-2-7/Ⅰ-1-2-8)/2026年7月17日閲覧。※令和7年版が最新で、令和8年版は本記事公開時点で未公表
増えてはいます。2023年度調査は9.1%だったので、1年で約3倍です。ただし水準は米国の約4割。使わない理由の上位は「必要性がない」、次いで「使い方がわからない」でした。
だから中小事業者にとって、いまの現実的な結論はこうなります。AI検索は先を見て仕込む価値がある。ただし今日の売上を作っているのは、まだGoogle検索です。そして幸いなことに、その2つは同じ土台の上にあります。
LUMENが「やること」と「やらないこと」
この業界には、根拠のはっきりしない施策が流通しています。だから当社は、線引きとその根拠を先に公開します。あとから「そんなつもりじゃなかった」と言われないためです。
やること(Googleが公式に挙げている基礎)
- クローラーがコンテンツに到達できるようにする。塞いでいたら、以降の施策は全部無意味になります。
- 索引され、スニペットが出せる状態にする。Googleが挙げているAI表示の技術要件は、これだけです。
- 構造化データを、表示内容と一致させる。ページに無い内容をマークアップするのはガイドライン違反です。
- 誰が運営しているかを明示する。Googleは評価軸のうち信頼性が最も重要と明記しています。
- 人の役に立つ、独自の内容を書く。Googleは「誰でも書ける一般論」と「独自の経験・専門性に基づく内容」を明確に区別しています。
根拠:Google Search Central 「Creating helpful, reliable, people-first content」("Of these aspects, trust is most important." / "SEO can be a helpful activity when it is applied to people-first content")/「AI features and your website」("There are no additional technical requirements.")
やらないこと(Googleが公式に「効果がない」と書いているもの)
同じ公式ガイドに「Mythbusting generative AI search: what you don't need to do(やらなくていいこと)」という節があります。当社が提案しないのは、ここに載っているものです。
- llms.txt の設置 — 「Google Search ignores them.(Google検索は無視する)」「やっても可視性にも順位にも、害も益もない」
- 本文の細切れ化(チャンク化) — 「There's no requirement to break your content into tiny pieces for AI to better understand it.」「There's no ideal page length.」
- AI向けの特殊な書き方 — 「You don't need to write in a specific way just for generative AI search.」
- 不自然な「言及」集め — 「seeking inauthentic 'mentions' across the web isn't as helpful as it might seem.」
根拠:Google Search Central 「Google 検索の生成 AI 機能向けにウェブサイトを最適化する」/2026-07-10更新
この4つを「やらない」と決めているのが、当社の立ち位置です。
効くと証明されていないものを作業項目に入れて請求するのは、当社の考えでは仕事ではありません。そして、この線引きの根拠は全部URLで示せます。他社の提案書を見るときも、同じ物差しで測ってください。提案の中にこの4つが入っていたら、その根拠を1回聞いてみるといいと思います。
当社が数字を「盛らない」ようにしていること
SEOの説明では「1位のクリック率は◯%、10位は◯%」という表がよく出てきます。当社はこの数字を使いません。一次情報が見つからなかったからです。
- Googleは順位別クリック率を公表していません。
- 欧州委員会の2017年の決定文には該当する表がありますが、非公開(黒塗り)です。
- 流通している数値は各社の独自調査で、対象も方法も値も一致しません。
「上位に集中する」という傾向自体は公的資料でも確認できます。ただし「1位は◯%」と断言できる一次情報は、現時点では存在しません。だから当社は書きません。
同じ理由で、もう一つ明言しておきます。当社は自社ツールでサイトを採点してお見せしていますが、あの点数は当社の内部指標であって、Googleの検索順位でもAIの引用率でもありません。Googleは公式に「どの第三者ツールも、Googleの内部のランキングやAIのシステムにアクセスできない」と明記しています(出典)。当社も例外ではありません。点数が上がることと、順位が上がることは別の話です。その前提でお使いください。
このサイトで、実演しています
いま読んでいるこのページも、上に書いたとおりに作ってあります。ブラウザの「ページのソースを表示」で、構造化データの中身を実際に見られます。
そしてLUMENのトップページには、このサイト自身をスキャンした実測スコアを載せています。サンプル画像ではありません。まだ改善点が残っていることも、そのまま出しています。